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物語

ここではない世界のとある大陸。
93年の栄華を誇ったギラン帝国は、その悪政が祟り『帝国打倒』『反ギラン帝国』を掲げるモクゾース反乱軍に、今まさに滅ぼされようとしていた。



虐襲3



ギラン帝国最後の皇帝である『サラド・オ・クルセード』は軍を率いて幾度もモクゾース反乱軍とまみえるも、赤い獅子と呼ばれる若き女戦士『アイラス・ランドクルス』と、碧い豹と呼ばれる女戦士『ミミィ・フェイミン』、二人が率いる軍団の実力は圧倒的であり、敗戦に次ぐ敗戦を重ねた末に南海の孤島『ジョビル島』へと逃げ伸びるのだった。



虐襲3




「くそっ……アイラス……!欲しい! オレはオマエが! アイラス!」




そして今や兵は絶え、将を失い、己の命の灯さえも消そうとしているサラドは、自分の命を奪おうとしているアイラスに対してどすぐろい情欲の念をたぎらせる。

一目会った時から、若き皇帝は若き雌獅子に恋焦がれ、その肉体を貪りつくしたいと妄執を湧かせていたのだ。

――その時だった。




『あたしのナイト様。……くすくす。
ギャリコが、と〜ってもいいタイミングで迎えにまいりました』




今まさにアイラスの手によって首を刎ねられようとしていたサラドの前に、あどけない顔をした少女が現れる。
『ギャリコ』と名乗った少女は、ある条件と引き換えにサラドに『触手』と『蟲』を操る力を与え、そしてアイラスを我が物とする手助けをすると言う。

サラドの答えは一つだった。



「……ふんっ。オレに選択の余地はない。
アイラスが手に入るなら……どんな条件も飲んでみせよう!」


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